2015年12月9日水曜日

癌治療:エビデンスで治療法を否定する医師は3流

■睡眠時間と癌の関係を疫学的に調査した研究はそれなりにある。
例えば東北大学の研究(外部サイト】だと睡眠時間が長い人ほどその前立腺がん罹患リスクが低い。

しかし癌腫を特定せずに、1)癌になった場合、2)癌を予防する場合の最適な睡眠時間は何時間かはまだ解っていない。
なぜなら全然研究されていないからだ。

100人いれば90人は、「睡眠時間と癌の関係は簡単に研究できる」と考えるだろう。
だが実際には充分な研究は行われておらず、エビデンスが不十分な分野である。

エビデンスの有無で治療法を否定する医師はよく「●●療法?エビデンスは?無い?じゃあ効かないよ」と言う。彼らからすれば睡眠時間を最適化することはエビデンスがないので無意味ということになる。

そしてそういう医師ほど下記が何故起きるか分かっていない。

・なぜ自分の患者が代替療法に走るのか
・なぜ癌難民がたくさんいるのか
・なぜ抗がん剤が叩かれるのか

これらは全て医師の効くと患者の効くの価値観の不一致が主要因。
医師が☓☓は効くからというってやろうとする☓☓の効果、それ患者からしたら効かないと一緒です。

■エビデンスは療法決定の参考資料にはなるが、療法否定の材料にはならない。
これが解っていない人が多い。

特にブログ等で「●●療法の本で▲▲というエビデンスがあるが、こんなのエビデンスレベルが低くて話にならない」といった表現が多く散見される。こういう療法の否定はほとんど話にならない。

その理由は下記の通りである。

所謂製薬企業の後援がない療法は、「ケースレポート>基礎研究>小規模の臨床研究でストップ」といった流れが多い。
(製薬企業の開発・研究だと「基礎研究で結果がでるが臨床研究で結果が出ず断念」が多いのでエビデンスレベルが低い医薬品=効かない)
代替療法のほとんどは奇跡の症例から基礎研究が行われ、その研究結果を元に小規模臨床研究が開始される。
代替療法を行っている医師らにとっては、小規模臨床研究が基礎研究を裏付ける結果であれば充分なエビデンスなのである。
つまり、前後の流れが分からずに単独のエビデンスで療法を否定してるだけなので意味が無いということ。
例えるなら「私は嘘をついた」「私は、孤児院の子供にサンタがいると嘘をついた」の差ぐらいある。



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